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● 痛んだときに
スーパーで店員を叱り付けている女性を見ていた。
その手にはキャベツを持っている。
どうやら購入したものが痛んでいたらしい。
必死に謝る店員。
その傍らに小さい女の子が、その女性の手を握っている。
多分、その女性のお子さんなのだろう。
自分の母親が店員を叱り付けているのを、じっと見ている。
女性は怒ることに一生懸命なようで、子供のことは全く気が付いていない。
私は、このときの子供に与える影響って、どんなものだろうかと思わず考えていた。
● 質問する
痛んだ野菜をどうするかと色んな人に尋ねたことがある。
その時の結果に愕然とした。
ある特定の人達は、カンタンに野菜を捨ててしまっていた。
「虫に少しだけ食べられたら、もうだめ!」
「痛みがあったら、魚と肉と一緒で、菌に汚染されているから、捨てます」
「見た目がキレイでなかったら、食べたくはないわよ」
その声を聞かせてくれた人達は全員「若い母親」だった。
● 母親から教わった教え
「野菜には命がある」
これは作り手からいつも言われていること。
でも、それは消費者には届いていない。
消費者は、そのことに気が付いていないようにも思う。
それよりも、物の価値が最優先。
いくらで買ったら、これぐらいという、見かけだけ判断しているから、
見かけだけの野菜が作られる。
そこに命を感じられることは、一切ない。
私が子供の頃に、母親からずっと言われ続けたことがある。
「お野菜やお魚やお肉はね、人間に食べられて、その命を全うするの。
だから、残さずに食べなさい。残すという事はその命を粗末にすることだよ。」
小さい時は、全く分からなかった。
今はその意味がしっかりと理解できる。
● 野菜を捨てる母親達へ
少し昔なら、多少痛んでいても、それを何とか食べるようにしていた。
「もったいないからね。」
この言葉が表しているのは、その食べものに「命」を感じているからだ。
私の母親も、目の前で、色々と粗末にしない食べ方を見せてくれていた。
そうすることで、命の大切さをじっくりと体験させ、理解させていたように思う。
でも、今は痛んでいたら、ポンと捨ててしまう母親達。
それを子供が見ていたら、どうなるだろうか。
● その答えは何十年後
もう一つ、多くの作り手から言われていることがある。
それは、「野菜が加工品」になってしまったという事。
見た目だけが重要視されて、それに見合わないものは、B品として扱われる。
古くなったら、存在価値は一切ない。
そのことを見ていると将来がとても不安になる。
「もう古くなったから、ポイだね。」
私達が年を取って、老人と言われる世代になったときに、
子供達からこんな風に言われるのだろうか。
痛んで捨てた野菜のように。
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