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● 「おまけは不要」
「おまけを入れたら、価値を下げることにしかならない」
ある作り手が、言い切っていた。
インターネットで販売するにあたって、もっとも重要なことを聞いてみたときの言葉。
何らかの経験があったからこその言葉だと思った。
● 失われたもの
インターネットが普及して、作り手から農産物を
直接、購入することが出来るようになった現代。
普通では食べられないものでも、簡単に自宅まで届けてくれる。
日持ちしないものなら、飛行機を使って送ったりと、
昔では考えられない世の中になった。
しかし、それに伴って、失ってしまったものもある。
それは、作り手の生の声。
● 続けていこう
インターネットで注文するとき、全くリアルな状況ではないので、
初めての注文は相手も半信半疑になってしまう。
「注文してくれた人のその気持ちに応えたい」
ある作り手はネット販売をスタートするにあたり、購入してくれた人に
注文以外に「おまけ」として、そのとき取れた野菜を一品入れることにしたのだ。
それは好評で、作り手も売り上げを伸ばしていったので、
そのまま「おまけ」を続けていた。
● 野菜がない
そんなときに、天候が不順になり、思うように野菜が収穫できない時期があった。
「おまけ」を入れようにもセットに入れるものが無く、お詫びを入れて発送した。
そのときに、多くの方からクレームが発生した。
「いつも入っているおまけが無いので、それだけ送ってください」
「おまけが入っていないのですが、値引きしてもらえるのですか?」
「おまけがないのなら、止めます」
自分の好意が全く違う形に受け取られていると、初めて知った出来事だった。
● おまけで、自分は誤魔化していた
「1000円で5品送る野菜セットがあったとする」
「自分は5品+1品でも、購入する人は6品としか考えていないんだよね」
いくら、お知らせを入れたところで、手元に届いているのは、
購入金額に対して届けられたもの。
だから、声を紙にしても、その思いを受け取ってくれる人もいれば、いない人もいると、
そのときに初めて痛感したという。
● ギリギリの仕事
そういう経験をしてから一切の「おまけ」を付けるのを止めた。
5品の注文なら5品だけを送るようにして。
その中で出来る仕事は、5品の注文を自分の中で最高のものを送り、
5品だけで満足させようと必死に仕事をこなしていった。
そして、またそこから少しずつお客さんが増えていくようになった。
● お得は武器にならない
「人間は利益を求める生き物。いくらやっても、その欲求に限りはない。」
「だから、応えようとするのではなく、自分の世界で勝負する道を選んだ。」
「それは厳しい世界だけど、その方がやりがいもあるよ」と、ニッコリと笑った。
応えるのはいいけれど、ただ物を送ればいいってものじゃない。
その人の言葉が、とても心に残った。
これを足せば、もっと満足してくれるかなと思って仕事をするのではなく、
これだけで満足してもらうにはどうすればいいかを考える方がもっとすばらしい仕事になる。
限られた世界の中だからこそ、レベルの高い仕事が成り立っていく。
何かを足すよりも、それだけで勝負する道を選んだとして、
今のあなたなら、何が出来るだろうか。
それが出来るようになったとき、もっと幸せがくるのかもしれない
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