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Home > ソムリエ > 食べられたみかんの跡



● いつもの半分
 
 1本のみかんの樹を持っていて、毎年1回、
 必ずみかん狩りをしている、野菜ソムリエ。
 
 2006年の収穫量は平年の半分以下。

 裏年といわれていたけど、自分の樹もまさに言われていたことと同様だったので、
 その状況を思いっきり体験することになった。
 

● 裏年って

 みかんの収穫量が少なくなるには、いろんな理由がある。
 
 昨年、みかんは表年であり、大豊作だった。
 多くの実をつけた「みかんの樹」は、必ず翌年は実をつけなくなる。

 それは人間と同じで、頑張った時は必ず休みを取る。

 子沢山だった翌年は、自分の体に栄養を蓄えようとして、
 実を少なくしてしまうという、とても理にかなった現象。

 全く実が付いていないみかんの樹を見て、思わず「お疲れ様」と言いたくなった。
 

● そんな中

 少ないみかんを収穫していると、あることに気が付いた。
 あちらこちらに、食べられた跡の残ったみかんがあったのだ。

 その犯人は「鳥」。

 ちょっとだけ、クチバシで突付いているものもあれば、
 思いっきり食べられてしまったものも。


 それが何個もあり、中には、かなり以前に食べられてしまって、
 樹で腐っているものもあったほど。


● 鳥に食べられたみかんは

 鳥に食べられた「みかん」は、多くは半分だけ食べられて、
 あとの半分は残っていることが多い。

 せっかく付いている実を、そのまま捨ててしまうのはもったいないから、
 収穫をしながら、一口食べてみた。


 すると、思わず声をあげてしまった。


 「美味しい!!」と


● 鳥は美味しいものをよく知っている

 「激ウマ」といってもいいのかもしれない。
 家族全員で食べて、誰一人として、「まずい」の一言が出なかった。

 
 「鳥に食べられているのが、一番美味しいよ」
 「ただ、今年は異様にあちらこちらで食べられているから、それが困ったことだよ」

 
 
 作り手が困った顔をしながら、話をしてくれた。


● 美味しいみかんは鳥が教えてくれる

 同じみかん畑の中でも、みかんの被害にあっている樹とそうではない樹がある。
 私が持っている樹なんて、被害がものすごく多く、鳥が恨めしくなるほど。

 でも、反対に言えば、それだけ美味しい実を付けてくれたという証拠でもある。


 鳥がクチバシを出さずにいられない樹と出会えたことに、改めて感謝した。


● 被害があればこそ

 小売店では、鳥に食べられたみかんなんて、販売することは一切ない。
 見た目は悪いけど、逸品なのは事実。

 そういうものが、畑にはたくさん転がっている。


 ただ、美味しいみかんを食べるだけではない。
 その場所で何が起こっているのかを知ることで、いろんなことを考えるきっかけになっていく。


 動物は美味しいものを見分ける力を持ち続けていて、人間は見分ける力を失っている。


 人間だけが、頭でっかちになっているのではないかと思った出来事だった。

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