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Home > ソムリエ > 小玉みかんはクズみかん?



● 2006年のみかん
 
 スーパーに行くと、温州みかんの価格がかなり高い。
 その理由は、裏年といって、不作年に当たるからだ。

 昨年は、みかんにとっては、当り年だった。
 日光と雨が多く降り注ぎ、多くの実をつけた。

 しかし、植物というのは、とても正直なもので、
 多く実をつけた次の年は、体を休めるかのごとく、実になるのはとても少ない。

 頑張って働いたので、自らお休みをしてしまうのだ。


● 雨も無く

 そんな年に加えて、今年は雨が異常に少ない。

 台風は来て欲しくはないけれど、
 その影響で雨が全く降らなかった。


 そのため、みかんの実が大きくならずにいた。


● 収穫量が減少する

 みかんの木に多く実が付かずに、その実が大きくならない。
 九州地方では、通常の半分程度、愛媛では6〜7割程度あれば、良いほうだという。

 そして、通常は規格外といわれる、3S〜2Sのものが多く収穫された。


 そのクラスのみかん、一般の人から見ると「クズみかん」と称されるもの。


● みかんはS以上でないと


 「みかんは、S〜Mサイズが一番よね。小玉みかんって、クズよ!」


 あるお母さんから頂いた言葉。

 スーパーなどで販売されるみかんの基準は、まさにこのクラス。
 スーパーしか見たこと無い人は、それが一番と思うのは、ある意味当然。


 しかし、本当の一番は、そのクラスではない。
 

 3S〜2Sクラスの、いわゆる「クズみかん」がもっとも美味しいことをご存知だろうか。
 

● 小玉みかんとは

 みかんの実は、どれをとっても本来は同じ甘さなを持っている。
 もちろん、多少の上下をするけれど。

 しかし、その甘さに変化を及ぼすのは、みかんの実にある水分量。


 雨が降れば、その水が根から吸収されて、実を大きくする。


 単純にいえば、同じ糖分に、50gの水と、100gの水を入れて飲んだら、
 どちらの水が甘く感じるだろうか。


 その答えが、小玉みかんに相当する。
 

● 小玉みかんは簡単にはできない

 みかんの作り手に「小玉みかんを意図的に作ることができるか」と聞いたことがある。


 すると、「それは樹を痛めてしまって、樹を殺すことにつながる」と。


 小玉みかんは、樹に多くの実をつければ、作りやすくなる。
 しかし、その反面、樹に負担がかかり、樹の寿命を確実に縮めてしまう。


 結果的にいえば、自然がもたらした産物。
 だから、食べることができるのは、ある意味、幸せなこと。


● 大きければ良い?

 小玉みかんは、通常サイズよりも糖度で1〜2度も高くなる。
 水分量が少ないので、それだけ甘さが薄くならずに、凝縮していると言ってもいい。

 今年は雨不足になっているので、必然と小玉みかんが多く収穫された。

 
 「だったら、美味しいみかんが食べられるじゃない!」よ思う人もいるだろう。


 しかし、小さいみかんは、一般人には「クズみかん」として認識されているので、
 進んで食べようと思われることは無い。


● 見た目主義が美味しいものを遠ざける


 小玉みかんを見れば、美味しそうに思われない。


 それは見た目重視販売が生んだ弊害。

 中身よりも外側がよければ、それでいい。
 そのような考えが蔓延しているので、いつまでも美味しいものには出会えない。


 みかん農家は、収穫量が減ってしまい、収入が少ない年。

 小玉みかんを見ると、思わず高額で購入したくなる。
 それほどの実力と美味しさを兼ね備えた果物だから。

 大玉みかんよりも、小玉みかん。


 そこに存在する思いを、少しでも感じて欲しいと思う。

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