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Home > ソムリエ > 青りんごの実力



● ダイエット効果?
 

 「青りんごを皮ごと食べるとダイエット効果があります」


 こんな情報がテレビで放映されたものだから、
 「一気に青りんごの注文が殺到した」と、作り手から電話があった。


 テレビでの情報伝達のすごさは本当に見事で、
 市場から青りんごが無くなってしまったほど。


● 今回は青りんごのお話

 青りんご(王林)を食べていただけるきっかけになったのはうれしいけど、
 本当の王林を知っている人が少ないと思っているもの事実。


 今日は、青りんご(王林)の姿を少しだけ、お伝えしたい。


● 葉取らずりんご

 以前、「色づかないりんごが一番美味しい理由」というものをご紹介した。

 これは、りんご栽培の過程で、果実の影になってしまう葉を摘み取らずに、
 そのまま葉をつけて栽培する方法。


 そうすることで、見た目はまだら模様のりんごになるけれど、
 葉の光合成によってできた栄養価を存分に実に注ぎ込まれて、
 究極のりんごになってしまうというもの。


 実はその「葉取らず」栽培方法は、「青りんご」では普通に行っているのである。


● 色は関係ない

 王林は、日光に当たっても、全く赤くなることは無い。
 葉の影でも色づきが悪くなることもない。

 だから、葉を摘み取ることは一切せずに、葉取らずりんごになってしまう。


 といっても、本当に美味しい王林に出会うことは、とても難しい。


 その理由は収穫後の果肉の変化。


● 硬さとやわらかさ

 収穫したての王林を食べてみたことはあるだろうか?

 そのときの味は、歯ごたえと果汁のバランスが絶妙で、
 時期限定の味と言ってよい。


 しかし、収穫して貯蔵をすると、果肉がどんどんやわらかくなる。
 収穫したてのバリバリ感は無くなり、フワッとした食感に。


 とてもデリケートなものなので、意外に王林は嫌いな人がいる。


● 弟を変えた

 実は、妻の弟が「青りんご嫌い」だった。

 どうやら、フワフワの食感がどうしてもだめだったらしい。


 スーパーで購入すると、いつ収穫したかがわからないので、
 どうしても美味しいものに出会ったことが無いという話。

 そんな理由を知らずに、私はある青りんごを差し出して、食べさせたら、
 ずっと嫌いだった青りんごを一気に食べてしまったので、弟自身が驚いてしまった。


 それほど違いが出てしまうのが青りんご(王林)。


● 貯蔵をしても

 貯蔵すると、果肉がやわらかくなる青りんご(王林)。
 
 しかし、ある人にはとても喜ばれるりんごになる。


 それは歯が無くなって、硬いものが食べられなくなってしまった年老いた人たち。
 

 年老いた人でも食べられるりんごは、とても重宝される。

 それに、やわらかくなった時期の青りんごは、「香りりんご」と称されるほど、
 匂いがとても強くなる。


 食べながら、りんごの匂いを強烈に感じることができて、
 それは情緒深い果物になる。


● どんなときでも食べる人はいる

 ふわふわの食感のりんごがダメな人もいれば、それを必要とする人もいる。
 

 1か0ではなく、その人にあった食べ方が存在することで、
 その価値は全く別物になる。


 あなたが「ダメ」と思ったときに、
 それを生かせる人が存在すると、考えたことがあるだろうか。

 プラスがあれば、マイナスがあるように、
 自分とは全く反対に考えている人も世の中にはいる。


 青りんごの姿を見ていると、とても考えさせられる。


 野菜・果物に無駄は存在しない。

 自分に合わないものは、捨てるのではなく、それを生かすことを一度考えてみると、
 もっと役立つ世界があるのを知って欲しいのである。

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