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Home > ソムリエ > 触りたがる生活者



● 散らかし放題
 
 夕方のスーパーでは、色んなものが売り切れ状態になっている。
 オープンケースや、ショーケースといったものが空っぽに。


 そんな中で、トマトが一つだけ売れ残っていた。
 ちょっと押された後があり、その部分だけ変色している。

  
 それは、元々が悪い状態だったのかは分からないけど、
 誰の手にも取られずにその場所にひっそりと置かれていた。


● 触れば落ちる


 「直売所でトマトを販売していると、手当たり次第に触るんです」」


 こんなことを以前、トマトを栽培している作り手に聞いたことがある。

 あちらこちらのトマトを手に取り、触るだけ触って、一つを選び出す。
 陳列してあるものだけでなく、ストックしている箱の中ものまで。


 「お客さんは隠してあるものほど触りたがる」

 
 それは、「他人が手で触っていなくて、キレイなもの」という気持ちから。

 でも、その行為自体が購入者自身にとって、プラスにならないをご存知だろうか。


● テレビの放送で

 以前、テレビを観たときのこと。
 大阪で激安の下着を販売しているおばちゃん社長の特集をしていたことがある。

 このお店の特徴は一切触らせないこと。
 お店の中には、「触らないでください!」と堂々と張り紙をして。

 自分が購入するものと決めて触るであれば問題ないのだが、
 手にとって品定めしようものなら、社長自ら思いっきり叱る。


 「商品が傷むから触らんといて!!!!」


 この販売方法を見て、あなたはどんな思いを感じ取るだろう。


● お客様に得するように

 「下着くらいだから、そんなにしなくても」という声が聞こえそうだけど、
 実はお客様に最大限のメリットを持ち帰ってもらおうという思いでイッパイな社長。


 触って、商品が散らかれば、それを直す人が必要なり、コストがかかる。
 触りだせば、商品寿命が短くなり、お客様の満足度に応えることが出来ない。


 激安で販売するためには、コストを抑えること。
 それには「触らせない」という販売方法と取ったのだ。


● 作り手の言葉

 トマトの作り手も同じ事を言っていた。

 
 「触ってしまって、トマトがダメになるから、その分値段を上げざるを得ない」
 「それに、品質も落ちるから、結局は買う人が損をするんだよね」


● 見て選べる人に

 手に取らなければ、良いものが分からないという人が増えている世の中。
 でも、その見る目が本当に良いものを選び出せるかは、分からない。


 それなら、プロがいる店にすべてを任せて、
 触らずに見るだけで購入する方がはるかにいい。


 魚屋のおっちゃんに選んでいただくとき、その気持ちがあるから、
 安心して購入することが出来る。


● 触る意味を知ろう

 あなたが触れば、野菜のロスが上がり、値段が高くなる。
 触った分だけ品質が落ち、自分の生活にマイナスを及ぼすことになる。


 自分だけが得をするという考えではなく、みんなで一緒に得をする考え方。


 それは、下着屋のおばちゃん社長がしっかりと教えてくれていると思うのである。

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