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● 綺麗な格好
野菜ソムリエになって、色んな人の畑に出向く。
インターネットなどで調べて、不意に訪問したり、結構スリリングな出来事。
でも、その最初の訪問時には、決まって「綺麗な格好」では決して出かけない。
それは自分の中にある思いと、ある作り手の言葉があるからだ。
● 座り込む
私は必ず畑で腰を下ろせる服装で出掛けている。
話が長くなるので、どうしても立っていられなくて、座り込んでしまう。
それが畑の土だろうが、ハウスの中だろうが、関係なく。
じっくり話をすることで、色んなことが学べる。
時間をかけてじっくりと過ごせるのが、一番の贅沢だったりする。
● 服装から
そんなことばかりをしていたから、一番最初の訪問で、
ある作り手からこんな事を言われたことがある。
「畑に来る服装で、その人の気持ちがはっきりとわかる」と。
そのときは、思わず緊張してしまった。
自分の服装が、その作り手に認められる格好かどうかは、全く分からなかったから。
しかし、その不安とは反対に、こんな言葉が出てきた。
「おめえ、変わっているけど、それが一番大切だ」
それは、私が畑に腰を下ろそうとした瞬間だった。
● 法則性
作り手の畑には色んな来客がある。
農業普及所の職員から、取引先、知人、などなど・・・。
その人、それぞれで服装も様々。
多くの来客を受け入れていると、ある一つの法則があるという。
それは、綺麗な服装な人ほど服を汚したくないから、早々に畑を立ち去るということ。
● 短時間では分からない
「畑に来て、10分や30分見るだけで分かる人なんて、まずいない」
その人の言葉が胸に突き刺さる。
同じ作物を栽培している人であれば、すぐに自分との違いを見出すことができる。
しかし、私たち、野菜を真近で見られない人にとっては、
その違いを見つけるのは不可能。
「本当に知りたいという気持ちがあるのなら、私とじっくり話をしたがるはず」
そのとおりだと思った。
● キレイか、汚いか
「俺はこの畑で仕事し、生活をしている。
それを『汚い』と思うのは、おかしいとは思わないか」
畑は神聖であり、命を育む場所。
その中で土だらけになって、仕事をしているつくり手。
それなのに汚れたくないという気持ちは、
作り手の仕事を冒涜していることにつながってしまう。
自分自身に置き換えれば、すぐに理解できる。
自分の仕事を見て、汚いと思われたとしたら、どんな気持ちになるだろうかを。
● 心を見抜く
畑を見ているだけで、その人の気持ちを把握してしまうのは、
それだけの経験があるからこそのなせる業。
「畑で会えば、その人の動き方を見るだけで、どれだけ真剣なのかが分かる」
ただ見るだけでなく、葉を触り、臭いをかぎ、隅から隅まで見る人と、
クルッと畑を見て回るだけの人。
作り手たちは畑に来た人をじっと観察し、その人の真意を見定めている。
「本気」か、「遊び」かを。
● あなたの目的地
畑には、畑の流儀がある。
それを早く把握できるかどうかで、作り手と仲良くなれるかが決まる。
「畑に腰を下ろす奴はそうはいない。おめえは合格。色々聞けや!」
知りたい気持ちの一心だったので、うれしくて仕方がなかった。
あなたが畑に入るとき、どんな気持ちでその場所に立っているだろうか。
その気持ちを、作り手たちはしっかりと見定める。
人生の先輩たちの関門をくぐり抜けて、作り手の真意に触れることができるのは、
作り手をある意味、先生と思って接しているか・いないかだと私は思っている。
知りたい気持ちがイッパイだからこそ、礼を尽くし、教えを請う。
それはまさに、昔の徒弟制度の親方と弟子の関係のように。
とても単純だけど、それができなければ、
本当の気持ちに触れることは一切できないと思うのである。
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