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● 声を聞かない
野菜ソムリエの私が好きな食べ物の一つに、牛丼がある。 フラっと入って、すぐに食べられるから、手軽でいい。
しかし、その牛丼屋でよく気になることがある。
「いただきます」もそうだが、「ごちそうさま」の声は、全く聞かれないということ。
お客さんたちは、黙って入店し、食べ終わったら、忍者のように、静かに帰っていく。 この行為は、ファミリーレストランでもよく当たり前のような光景になった。
もし、自分が小さい子供の時にそれをしていたら、思いっきり叱られていた。
「ごちそうさまは?誰のおかげでご飯が食べられるの?」
あの時には形だけだったのが、今では心からできるようになった。 だからこそ、伝えたい。
「ごちそうさま」って、何のために行うのだろうかと。
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言葉の意味
「ごちそうさま」を漢字で書いてみる。
「ご馳走様」
「ご」「様」は感謝の意味として付いた言葉だから、元来は「馳走」のみ。
この漢字の意味は、「馬が音をたてながら、パカパカと走る姿」。 「馳せ参じる」という言葉が示すように、馬ですぐに現れるという意味に使われる。
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集めるだけじゃない
そこから転じて、馬が走り回るように、
色んな各地から食材を集める行為の意味となった。
ただ、走り回って、集めることを言っているわけではない。 そこには、色んなひとの関わりがある。
農作物を作る人。 漁をする人。 家畜を飼う人。
運ぶ人。 料理する人。 販売する人。
そして、それを集めて、自分の前に出してくれた人がいる。
色んな人の力を借りて、目の前の食事となる。
その行為に感謝するために、「ごちそうさま」と言う。
時代劇で、「馳走になった」という言葉の意味は、元来これに由来している。 自分のために、これだけのものを集めてくれたのかと感謝の意味として、言うのだ。
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だから、ソムリエは提案します
目の前に食べ物として出されるには、それこそ遠い道のりと、
たくさんの人の手によって運ばれてくる。
お金を出せば、食べられるといわれるかもしれないけど、 料理人が作ってくれなければ、私たちは食べることはできなくなる。
色んな人と命が合わさって、私たちの食事になっている。
私たちは生きているんじゃない。 生かされているのだ。
「ごちそうさま」をするときに、作ってくれた人、 今日元気に生きてこれたことと、おいしく食べられたこと、 色んな意味を込めて、感謝してみる。
たったこれだけだど、ものすごいロマンがある。
笑顔で「ごちそうさま」ができる幸せを、今一度考えてみるべきだと思う。
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