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● 隣近所
安全神話。
日本の治安はとても守られていると言われていた時代。
家のカギをかけなくても、泥棒も入ろうと思わなかった。
いや、思えないほどの地域のネットワークがあり、
不審者を見つければ、すぐに隣近所に知れ渡ってしまうほどだった。
それがいつの頃からだろう。
隣近所の人が全く分からなくなり、不安や不信が充満し始めていた。
ある作り手がこんな話を聞かせてくれた。
「無農薬栽培をすると、隣近所に迷惑を掛ける」と。
● 無農薬栽培だから、回りからにらまれる
食の安全。
消費者から一番望まれているもの。
でも、それが作り手から見ると、「望まれていないもの」になっている。
無農薬栽培をすること。
それ自体は、とても素晴らしい。
でも、その回りの人から見ると、こう見えてしまう。
「お前の畑は農薬を使わないから、たくさんの害虫がいる。
それがオレの畑まで飛んでくるんだ!」
見た目を重視するあまり、リスクとなるものは避ける。
当たり前のことだけど、それを他人のところまで押し付ける。
● 普通栽培の方がたくさん儲かる現実
農薬を使用しないという事は、価格が思いっきり高くなる。
これは誰でも知っている事実。
それを見て、こう思う人はいるのだろうか?
「有機農産物を育てるって、儲かるからだろ」
それは全くの誤解。
反対に全然儲からない。
● コストばかりかかる有機栽培
先日、熊本に行ったときのこと。
生姜を有機栽培している人と出会ったとき、こんな話になった。
「約900坪ある生姜の畑に、除草剤という農薬を使わないと、1回キレイにするのに、
人間が3人がかりで5日間。農薬を使えば、1人で3日間で終わる。」
コスト計算をすると、農薬を使えば、1度に11万くらい。人間だけだと約15万。
それに農薬を使ったほうが、収穫量も増えて、さらに収入増が見込める。
さらに、人間だけの作業だと、何度もしなければならずに、
年間で160〜190万円くらいのコスト。
5〜9月までのたった5ヶ月の仕事で、それほどのコストがかかる。
普通栽培をしている人の方がずっと高収入。
世の中のために行なっているのに、認められないという現実。
収穫減とコスト高。
その分を価格に反映しても、今度は購入されない。
安全・安心の追求。
その行き着く先は、一体何があるのだろうか。
● だから、ソムリエは提案します
30年前に起こった無農薬栽培。
作り手達が農薬によって、農薬中毒と言う体の影響を心配して起こった運動。
変わらないのは、作り手の熱き思い。
それだけで栽培していると言ってもいい。
だから、その思いを次の世代にも引き継ぐためにも行なわなければならないこと。
「購入した人が、その作り手に感想や感謝の言葉を伝えること」
たった一言でもいい。
「あなたの野菜を私は待っています」
この一言で作り手は救われる。
生産者と消費者。
お互いにしっかりと話せる環境があれば、もっと素敵な世の中になる。
利益だけじゃない。
それは人助けの思いと、これからの日本を考えての活動。
今、目の前にある食べものに、あなたはどれだけの感謝や言葉をかけていますか?
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