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● 袋をかけることは当たり前
9月に入り、色んな果物が出回ってきて、色んな味が楽しめる季節。
私は、特に、「梨」に思い入れがある。
梨の栽培で一番欠かせないものといったら、実は「袋」。
梨の実が小さい時期に、袋をかけて、
表面に傷や虫によって、被害が出ないようにするため。
これが無いと、良いものが作れないというのが、作り手の当たり前の考え方だった。
それを使わないで育てるということは、ある意味自殺行為に近いもの。
でも、それを使わない人が、この世に存在する。
● 作り手の想い
長野に知り合いの梨作り名人がいる。
毎年、その人は恐ろしいことを考えて、農業をしている。
先ほど、言った「袋を使わない」で、梨作りをしている。
袋で実を覆わないと、見た目が良いものが全く出来ないことも考えられる。
それでも止めることは考えていない。
本当の梨の味を、届けたいという想いが強いから。
● 市場品の実態
店頭に並んでいる「果物」たち。
でも、それはどんな風に取り扱いをされているかを、ご存知だろうか。
その名人が教えてくれた。
「梨の成熟具合なんて、まったく無視。ただ、月日を見て、出荷計画を考えるだけ。」
詳しく聞いていくと、こんなことだった。
地域をまとめる人がいて、いつの日から出荷するかを計画して、
地域の作り手達の出荷の順番を割り当てていくだけ。
成熟具合を見て出すのではなく、出荷日が一番重要なのだ。
梨は南の九州からスタートするが、ボヤボヤしていると、
他産地がどんどん出荷してしまって、
自分たちの梨が高く売れなくなってしまうというリスクがある。
自分たちの利益を守るためには、これが一番の最善策。
だから、市場に出荷されるのは、味なんて言ったら、
美味しいとは言えないものになる。
その人曰く、「梨は甘くなくても、いいと思っている人が多すぎる」。
これが、産地での実態。
● リスクを犯す意味
袋をかけないで、梨を育てれば、どうなるのか。
理由は明確だった。
「梨の甘さが全く違うから」
事実、目の前で、糖度を計測すると、量販店で販売されているものとまったく違う。
最低でも2〜3度の違いが出てしまう。
「日光を十二分、実に当てたら、それだけ梨もお返しをしてくれるのかな」
そんな事を易々と言えるので、自信の表れ。
見た目ばかりを要求する消費者に応えるのではなく、
どんなものを食べて欲しいかを、追求する作り手を見ているほうが、気持ちがいい。
「たとえ、見た目に難があっても、味がありゃ、問題ない」
● 私たちが出来ること
量販店に行っても、こういう人のものが購入できることはない。
それは、販売する側に、「そういうものを欲しい」と言っていないから。
見る視点を変えて、中身重視。
その方が美味しいものに出会えることだってある。
キレイなものしか欲しくないという世の中。
そろそろ、その考え方を変えてみようじゃないか。
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